【20歳の大晦日】 第三章 『歓喜』

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どうも!

元ペットショップ店員、元不動産営業 宅地建物取引士の,comma,です!

今回は、前回の続き、20歳の大晦日』の第三章です。

それではいってみよう~(‘◇’)ゞ

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第三章 【歓喜】

車中泊で一晩を過ごし、朝を迎えました。

目を覚ますと午前9時頃だったと思います。

 

comma「おい、T!起きろ!」

先に起きた私commaがTを起こそうとするもTは中々、目を覚ましません。

そうだな。

疲れてるんだな。Tよ。

昨日は15時に出発して、ずっと助手席でノコギリクワガタを

見つけた時のような少年の目をしていたもんな。

その目を見れば、君がスノボーをどれだけ楽しみにしていたかわかるよ。

Tの寝顔を見ながら、心の中でそんなことを思っていたり、いなかったり。

 

comma「おい!!T!!!はよ起きろ!!!朝やぞ!!!」

 

再度、Tに声をかけ一度目より語気を強め起こします。

 

T『ううぅぅうぅうぅぅう』

 

まるで子牛のような声を発して、身長が180㎝後半で肩幅がイアンソープ程ある男が

1月1日、高鷲スノーパークの駐車場で産声を上げたのです。

 

T『おはよう。寝れたか?』

 

comma「寝れたか、寝れてないかもわからんぐらいやな」

 

T『そうか。行くか!』

 

Tはそう言ってニヤニヤしています。

朝、目覚めてからニヤニヤするまでどれでけ短い時間でニヤニヤできるんだ。

なんて男なんだ。

人間じゃなく、その他の哺乳類に属しているのではないかと感じさせるぐらい

切り返しの速いTに少し驚き、車のドアを開けようとしたその時。。。。

 

comma「おい!T!!雪が雪が!!!窓のとこまできてる( Д)!!!」

 

T『マジかよ!!寝てる間にそんな降ったんかよ!!

もうちょっと遅く到着してたらやばかったな!』

 

そう言ってTはニヤニヤ。

この男は、もうミヤマクワガタを見つけている。

ノコギリクワガタよりレアなミヤマクワガタを。

目が覚めた時から、ミヤマクワガタを見つけたんや。

それほどの笑顔を見せるTと車から雪にダイブしスキー場へ向かったのです。

スキー場の受付でボード、靴をレンタルしました。

1月1日にこんなにもスキー場に人が来るのかと驚く程、人が多かった記憶があります。

ボード、靴のレンタルを無事に終え、いざゲレンデへ!!!

あの日以来だ。

14歳のあの修学旅行以来だ。

上着は、大阪アメリカ村で購入した水色と青色が混じったよくわからないジャンパー。

下は、ジーパンの上から道中に100均で購入した、紺のカッパ。

Tは、上着はスノーボード上級者がお洒落に着こなしていそうな黒のシャカシャカジャンパー。

下は、ジーパン。

え?下、ジーパンなん!!(;’‘)

こいつなんで私commaが下のカッパを買う時に自分はジーパンで滑ると言う情報を

言わなかったんだ。はたから見たら、毎シーズンボードに来てます!

ボードと両足は友達です!みたいな雰囲気出てるやん。

そんないで立ちで、ついにはオオクワガタを見つけたような笑顔で

リフトに向かった突進していくT。

いざ、リフトに乗りゲレンデを登っていきます。

登り終えるといざ滑り出し。

滑っては、リフトに乗り、滑ってはリフトに乗りを繰り返すうちに

スノボー初心者の私commaはこけながらもある程度は、滑れるようになっていました。

Tも雰囲気は上級者ですが、実力は素人。

しかし、ジーパンに黒のシャカシャカジャンパーがいかしており

こけても様になっている有様。貴様。

なんやかんや言うてますが、天気は良いし、広瀬香美の歌が流れているゲレンデで、

スノボーをするのは楽しかったです。

時間が経つのを忘れるぐらい楽しんでいました。

少し軽快に滑れるようになってきて、リフトに乗り、さぁ~行くぞ!とばかりに

リフトから降りると、なにやら笑い声が。

みんな楽しんでるんやな。

楽しいもんな。

カップル、友達、家族、まぁでも受験生は来れないよな。

なんたって正月から〈滑る〉なんて縁起悪いもんな。フッ。

少しキザな感じで空を見上げるcomma。

良い天気だ。

みんな楽しめよ!!!

そう思っていると、笑っている人の視線が明らかに自分に向いている。

なぜだ、なぜ自分を見て笑っているんだ。

何かおかしいのか?

何かおかしいことをしているのか?

おしりに手を当てた時にわからいました。

カッパ、ビリビリに破れてる~( ;😉

 

comma「おい!T!めちゃ破れてないか!カッパ!!」

 

T『ダッハ!!!!めちゃ破れてる!!!』

 

〔この『ダッハ』と言うのは、Tの笑い方の特徴であり、笑い声の中でも

最上級に笑っている時に出るものである。〕

 

comma「みんなめちゃ笑ってるって!!!(´Д`)

とりあえず、下まで滑ってガムテープ借りてくるわ!」

 

そう言って下まで、ケツがビリビリに破れているカッパを身にまとい、

ゲレンデを滑っていきます。

受付に行き、ガムテープを借りて補修し、前後ろを反対にして履きました。

前後を反対にして履くことで、ビリビリに破れていることにいち早く気づくことができるから。

そんな理由だけで、今考えると恥ずかしい恰好でスノボーを楽しんでいました。

昼が近づくにつれ、補修したカッパはビリビリに破れ出し、

昨日の運転の疲労が祟ったのか、疲労困憊になっていました。

これ以上、やったら帰りが大変なことになるな。

もうここらで終わりかな。。。。

そんな思いでお昼を迎えました。

 

comma「T。もう疲労がヤバいから切り上げて帰らんか。晴れてるうちに」

 

T『えぇぇぇぇえ!!!もちょっと!!もうちょっと!!!もうちょっと滑りたい!!!』

 

ダメだ。彼の目は、オオクワガタでは満足できない。

彼は今、この高鷲スノーパークでヘラクレスオオカブトを探しいているんだ。

あのみんなが憧れたヘラクレスオオカブトを。

もう。コーカサスオオカブトぐらいなら見つけているんじゃないかと言う目をしている。

 

comma「けどな。Tよ。今は晴れてるけど天気が崩れたら、帰りはマジでやばいで。疲労も困憊やし、帰れるうちに帰らんか?」

 

その時のTの顔は、おもちゃを買ってもらえない子供のように純粋な表情だった。

俺はまだまだ滑りたい。こんなぐらいで満足できへん。

まだまだ滑りたいんや!!!と言わんばかりの表情。

しかし、心の優しいTは、

 

T『せやな。仕方ないな。次は、しっかり準備してまた来たらええしな!!』

 

自分の気持ちを押し殺して、Tも帰ることに同意したのでした。

ボード、靴を返却して車に向かうとあんなにも積もっていた雪が解けてなくなっていました。

正直、ホッとした気持ちでした。

 

comma「帰るか。」

 

T『せやな。楽しかったな』

 

comma「岐阜の街でも見て帰るか」

 

T『せやな。初めてやしな』

 

そう言葉を交わし、車で岐阜の街を眺めながら帰路につきました。

帰りは高速道路にも乗ることができ、順調でした。

しかし、疲労が残っているのか急に眠気が襲ってくる始末。

スノボーは意外に疲れるんやな。

フッと横をみた時でした。

そこには、、、、、、、

昇天しているT(~o~)まさにこんな顔

そう爆睡している子牛(T)の姿があったのです。

こいつ、なんでやねん!!!

こっちは、ずっと眠いのを我慢して運転してんのに、なんで寝てんねん。

当時は、そんな風に思っていました。

私、器が小さい男だったのです。

無言で助手席のドアを全開に。

。。。。。起きない( ゚Д゚)

我慢ならず、

 

comma「おい!!なんで寝てんねん!!!」

 

T『うぅぅうぅううぅうううぅううぅ。ごめん』

 

comma「お前が寝たら、俺もめちゃ眠なるやん!!起きてくれ!!」

 

T『悪い、悪い。起きとくわ!』

 

そう言って、車を走らせていると静寂が訪れます。

まさか、まさかな。そんなことはないやろ。

横をみると。

再昇天しているT(~o~)まさにこんな顔

comma「おい!!!寝てるんかい!!!!!!

( `ー´)( `ー´)( `ー´)( `ー´)( `ー´)( `ー´)ノ」

 

T『うぅぅうぅううぅうううぅううぅ。ごめん』

 

まさにデジャブ。

先ほどと同じ光景。

しかし、その後は何とかTも起きてワイワイ言いながら無事に

鹿のいる県に帰ってくることができました。

 

comma「帰り車の運転、気を付けて帰れよ。寝るなよ」

 

T『マジでありがとう!!楽しかった!!ほなまた』

 

そう言って、Tは笑顔で帰っていきました。

あの笑顔は、ヘラクレスオオカブトを見つけた笑顔。

そんな昔の思い出です。

 

【20歳の大晦日 完】

あとがき

Tは高校の同級生で高校の時から、遊んだりしていました。

現在もTとは飲みに行ったりして仲良くしています。

しかし、スノボーはこの一回限りしか行ってません。笑

彼のいるところでは、色々な奇跡(いい奇跡もあれば、悪い奇跡もある)が起こります。

彼が起こす奇跡は、この『20歳の大晦日』以前、高校時代から起こっていたと思います。

色々なTの奇跡においては、また書いていきたいと思います。笑

この大晦日の日のことを思い出して文字に起こしている中で、

Tはリスクをとってまでスノボーに行こうと私commaを説得し、

危ない思いもしましたが、最高の思い出になった訳です。

もし、あの時、美濃ICで帰るとなっていたら、この話はなかったのです。

今、私commaが読んでいる本

【ビジネスで失敗する人の10の法則】著者:コカ・コーラ元社長 ドナルド・R・キーオ

の中で、失敗する10の法則の中で最も重要な法則として

『リスクをとるのを止める』があります。

今回の話はビジネスの話ではないですが、あの時にリスクをとったことで、

最高の思い出ができたんだなと思いました。

何事においても「やっぱりやめとこうかな~」って気持ちになることが多い

私commaですが、Tの持ち前の明るさ、何とかなるやろ!の精神、

あの少年のような笑顔は、見習いたい部分だなと思いました。

よく私commaが沖縄に移住する話を色々な人にした時に

「やめといたら?」

「給料さがるよ?」

「新しい所で人間関係難しいよ」

などなど、ネガティブな助言の方が多いです。

今の職場での立場や人間関係を断ち切って沖縄に行くことは、確かに

不安な部分もありますが、何よりもこれに尽きるんですよね。

沖縄に住みたいねもん。

好きなことしたいやん!!

私commaのこの気持ちとTのスノボーに行きたい!って気持ちは

似ているものだったんだなぁと今になって思います。

Tのあの強い気持ちを見習って、私commaも沖縄移住計画を進行していきたいと思います。

では今回は、この辺で~

モグランキ~👋

 

 

この記事を書いた人
comma

沖縄が好きで、好きでたまらなく
沖縄移住したcommaです!
主に沖縄での日常について書いています☆

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